サジェストツールを選ぶ際のチェックポイント


サジェストツールには様々な種類があり、どのツールを選ぶかによってできることも異なります。
以下に、目で見てわかりやすいチェックポイントをご紹介しますので、導入の際の参考にしてください。

サジェストの表示内容について

商品画像もサジェスト表示されるか

ECサイトで商品をアピールしたい場合に重要なのが画像サジェストです。
サジェストしたい商品を文字だけでなく、画像と共に表示します。

写真画像は、文字だけでは伝わらない商品の雰囲気を伝えるのに便利です。
さらに、華やかで目を惹きやすく、他の候補にも目を向けてもらいやすいのもメリットと言えます。

 

検索結果件数の表示があるか

サジェストワードが表示されているときに、実際そのワードを選択すると何件の商品が該当するのか、クリックする前にわかると検索効率が上がります。
サジェストワードが多い場合には、どの程度絞り込みたいかでも選べるので使い勝手がいいです。

例えばサジェストワードから「スカート」選んで数千件が表示されても、その中から目的のものを探すのは大変です。
「スカート 2000件」「スカート レディース 700件」「スカート レディース 冬 20件」と目安の件数が表示されていれば、希望に沿った条件である程度まで一発で絞り込みできます。

 

関連カテゴリーを表示できるか

サイト内で扱う商品が多い場合は、カテゴリー分けやタグ分けをされている場合が多いかと思います。
そういったサイトでのサジェストツールには、カテゴリーの表示機能も付いていると良いです。

例えば「傘」と入力した時、それが「雨の日に使う傘」を欲しいのか、「インテリアに使う傘置き」が欲しいのか、カテゴリーがそれぞれ「ファッション雑貨」「インテリア」と別々に分かれていれば、どちらを選択すればよいのか明確です。
商品を絞り込むことでより目的のものに早く到達できるので、コンバージョン率向上にもつながる可能性があります。

 

サジェストのマッチング機能について

表記ゆれ対応しているか

表記ゆれとは、たとえば「PC」「パソコン」など、表現する文字が複数ある場合のことです。
どちらを入れた場合でも、同じ単語として解釈できることが好ましいとされます。

また、表記ゆれに関連して、打ち間違いによる互換機能もあると便利です。
例えば「カーテン」を「カーレン」と打ち間違えた場合でも、もしかして「カーテン」?という可能性をもって検索を行います。

 

型番検索に対応しているか

型番や商品コードでの検索は、BtoBの場合に対応していると便利な機能です。
業務用で似たような商品が多い場合には、ロット数やサイズなど、コードで区別している場合があります。

英数字や記号の羅列は覚えづらく、入力するときにも間違いやすいものです。
ですが、最初の数文字を入れた時点で候補の商品が提示されれば、最後まで入力する手間が省けます。
注意したいのは、ツールによっては型番や商品コードを検索対象としておらず、正確に入力しても検索にヒットしないことがあります。

 

ECの場合、直接商品ページへいく機能があるか

一般的なサジェストでは、サジェストされたものから、その条件で検索された検索結果ページへ移動します。
ですが、ECサイトでは、商品名や商品画像など、サジェストから直接商品ページへ移動する機能があると良いです。

なぜなら、検索結果のページからさらにもう一度クリックするという、商品ページまでの手順を1つ減らせるからです。
この「手順を1つ減らすこと」は、コンバージョン率アップへの手段として注目されています。

WEBサイトへの設置導入とチューニング

既存サイトへの導入方法が簡単でわかりやすいか

WEBサイトへサジェストツールを導入する方法は、ツールによって異なります。
データベースの設置やインストール等が必要なツールもあり、その場合は導入までに手間も時間もかかるのがデメリットです。

一方で、既存のHTMLにコードを数行追加するだけでサジェストの仕組みを導入することのできるツールもあります。
サイト運営者にプログラムの専門知識がなくても、普段ホームページの変更をしているのと同じような感覚で導入できる点が便利です。

 

 デザインのカスタマイズが可能か

サジェストワードの色などを変更したい際に変えることが可能かどうかも、念のため確認しておきたい点です。
パッケージ化されているサジェストツールの中には、一切のデザイン変更ができないものもあります。

サイトのデザインにこだわっている場合には、サジェストツールの部分だけデザインが異なると目立ちます。
特に商品画像など、目からの印象が大きい箇所は、他とのバランスを確認しておくと安心です。

 

サジェストに優先表示したい商品を手動でも登録できるか

季節や期間限定の商品など、特におすすめしたいものがある場合は、サジェストにも表示することで宣伝効果を期待できます。
サジェストに表示する数を変更したり、優先的に表示したいワードや商品を決められると、より高度なサイト運営が行えるでしょう。

 

まとめ

サジェストツールの利用者側からみて、わかりやすい機能や性能の違いをご紹介しました。

サジェストツールは、サイト内で扱う商品の点数や分類と相性の良いものを選ぶ必要があります。
ご紹介した内容を参考に、最適なツールを選んでみてください。


サジェストツールが、サジェストを表示するまでの流れ


サイト内検索などで、入力されたワードを元にサジェストを表示するサジェストツールには様々なものがあります。
一般的に通販サイトや企業にて使われているサジェストツールとは、どのような仕組みで動作しているのか等、サジェストを行うための主な仕組みをご紹介します。

サジェスト実現までの仕組み

サジェストツールは主に下記の機能により成り立っています。

  1. サイト内にあるキーワードの収集
  2. サジェストの精度を上げるためのチューニング
  3. 入力された文字からマッチする結果を検索

下記で順番にご紹介していきます。

1.サイト内にあるキーワードの収集

まず、サジェストツールにおいて表示される元となる商品名や商品説明文などを、対象のサイト内で集めます。
サイト内に関係のない言葉がサジェストに表示されてしまうのを防ぐため、また、サイト内で扱うものを効果的にサジェストするために、必要な作業です。

収集は、クローラーが定期的に回ったり、あらかじめ登録してあるデータを利用したりといった方法で行われます。
ツールを選ぶ際には、自動でメンテナンスされるかどうか、手動の場合は操作が難しくないかなどをチェックしてください。

2.サジェストの精度を上げるためのチューニング

次に、サイト内から集めた商品名や商品説明文を元に、サジェストに表示するものをメンテナンスします。
どのような入力の時に、どのようなサジェストを表示するのかということです。

例えば、「PC」と入れた際には「パソコン」も表示対象にするかどうかなど、同じ意味を持つけれど表現方法の異なる「表記ゆれ」への対応も行います。
自動で表記ゆれの判別ができるツールが多いですが、もし自作する場合には、関連性のある言葉がどれなのか手動での設定が必要です。

3.入力された文字からマッチする結果を検索

ユーザが画面から入力した際には、入力された文字から関連するキーワードをその都度検索し、表示します。
何文字入力されたらサジェスト表示するのか、どのくらい関連の深いキーワードまで表示するのかはツールによって様々です。

上記のキーワード収集やチューニングの結果によっては、サジェストに表示できるものが少なかったり、関係のないワードが表示されたり、という問題が起こります。
ユーザの目に直接触れる箇所なので、ユーザ目線での確認をデモサイトで出来ると安心です。

まとめ

サジェストツールは、使う側からすればどれも「入力した文字にマッチするサジェストを表示する」という機能を持った同じようなものです。
しかし、それぞれのツールの内部ではこれらの仕組みを独自に作成しており、サジェストに表示される結果が変わってきます。

また、これらの仕組みをすべて高性能で実現しようと思うと、自作するのはなかなか難しい場合が多いです。
そのため、サジェストの仕組みを導入する際には、専門性の高いサジェストツールに任せる方法が主に選ばれています。


サジェストツールをサイト内検索に付加するメリット


サジェストツールは、主にサイト内検索において、ユーザが検索したい文字を入力した際に出てくる入力補完機能のことです。
目につきやすいところに配置されることが多く、多くのユーザが使う機会がありますが、中にはサジェストツールが付加されていないサイト内検索もあります。

ではサイト内検索の機能にサジェストツールを付加することで、どんなメリットがあるのでしょうか。
「訪問者側」「サイト運営側」それぞれの立場からみたメリットをご紹介します。

 

訪問者側のメリット

最後まで入力しなくてもよい

例えば「ロングスカート」や「折り畳み傘」など少し長い単語を入力したいとき、最初の2文字程度を入れるだけサジェストツールにより表示されれば、あとは選択するだけでよいので、入力が楽です。

さらに、変換間違いによる文字の打ち直しの手間なども省けます。

 

どんな言葉で検索したらよいかわからない時の助けになる

文具を扱うECサイトにおいて、「ペンがポケットから落ちないように繋げておくコードが欲しい」と思った時、どのような文字で検索するでしょうか。
一般的な商品名や呼び名が思い浮かぶ人は少ないのではないでしょうか。

こういう場合、「ペン 落ちない」など動作で検索しようと入力したときに、関連する「ペンホルダー」や「ペンヘルパー」、「ペンキーパー」など、このサイトにはこういう商品があります、とサジェストツールにより提示されると欲しいものに近い商品までたどり着きやすくなります。

 

新しい選択肢を増やす

内祝いを探したい人が、「内祝い」まで入力した際に「内祝い タオル」「内祝い 名入れ」「内祝い 送料無料」とサジェストツールで表示されたらどうでしょうか。

タオルだけを見るつもりで訪れたサイトだったとしても、もし関連するワードに「こんなものがある」と思ってもらえれば、他の商品も購入候補に入れてもらうことができます。

 

検索の絞り込みが効率的に行えるので、目的のものにたどりつきやすい

「カーテン」と検索した時、サジェストツールにより「カーテン レース」「カーテン 遮光」「カーテン レール」と表示されれば、1回の検索で目的のものを絞り込むことができます。

もしサジェストツールがないと、「カーテン」で検索した後、絞込み条件から選んでいかなければならない手間が発生します。

 

サイト運営側のメリット

「こんなのもあるのか」という発見により離脱率が減る

サイト内検索を利用する人は、何か欲しいものがあってそのツールを使用します。

欲していないものを見せて気を惹くのは好みがわからなければ難しいです。
しかし、欲しいと思っているものに関連する商品をサジェストツールで紹介することで、他のページにも興味を持ってもらい、結果的に早期の離脱率減少に繋がる可能性があります。

 

見て欲しいサジェストを表示することで見てもらえる

サジェストツールによっては、「このワードを入力したユーザにはこの情報も見て欲しい」というサジェストを意図的に設定できるものがあります。

時期によって特におすすめしたいものがある場合などは、より多くの人にみてもらうための手段として便利です。

 

入力の仕方によってはヒットしない事態を防ぐ

「ギフト用のバスタオルセット綿素材」や「北欧風ダイニングテーブルとチェア」など、いわゆる機械語ではなく文で検索をする場合や、打ち間違いをしてしまう場合もあります。

この場合、検索機能の性能によっては単語分析がうまくいかず、本来ヒットするはずの商品を検索結果に提示することができません。

そんな時、サジェストツールで「ギフト バスタオル セット 綿」など、ヒットすることがわかっている検索方法を提示してあげると、0件ヒットを防ぐことにも繋がります。

 

まとめ

以上の点より、サイト内検索をより効果的なものにするためには、サジェストツール付加が一役買っていると言えるのではないでしょうか。

サジェストツールがない場合よりも、よりユーザに適した検索結果を提供することができ、ユーザの満足度向上やリピート率上昇にも繋がる可能性があります。


サイト内で活躍するサジェストツール、最新の動向と今後の予測


googleなどの検索エンジンにおいて表示されるサジェストワードは、SEO対策としてのキーワード抽出などに活用されています。

そんなサジェストの機能は、今や検索エンジンだけでなく、サイト内検索の世界でも、近年サジェストの活用が進んでいます。
特にサイト内のページ数や商品が多いECサイトでは、ページの目立つ場所にサイト内検索が配置されることが多く、サジェストツールは多くの人が使用する機能です。

現在、さまざまな種類のサジェストが実現されていますので、2020年12月現在で、主流とされる機能を紹介いたします。

画像によるリッチなサジェスト

当初のサジェストツールと言えば、入力した文字を元に関連キーワードが
テキストで表示されるのが一般的でした。
最近では、文字によるサジェストだけではなく、画像によりサジェスト表示をするものが増えてきています。

文字だけでは伝わらない商品の雰囲気を、ページ遷移しなくても伝えることができるので便利です。
また、画像があることで人の目を引き、目的のものを探しやすいメリットもあります。

カテゴリーや人気ワードなどの関連サジェスト

簡易なサジェストツールでよく見られるのは、前方一致で検索して、一致した商品名を表示しているものです。
これは、入力補完という面では有用な機能ですが、利用者にお勧め商品を提案する、という面では少し物足りません。

高機能なサジェストツールでは、入力に一致する商品名だけでなく、関連するカテゴリーや人気のあるキーワードも表示することが可能です。
これにより、おそらく興味があるであろう、訪問者が予期していないものも含めた次の提案をすることができます。

業者にも便利な型番や商品コードのサジェスト

サイト内検索を使用するのは、商品を購入する一般の人には限りません。
BtoBの場合、決まった商品を探したい場合もあるでしょう。

そんな場合に便利なのが、型番や商品コードなど、通常は表に出ないキーワードでの検索です。
記号や英数字などの、正確には覚えにくいコードや番号でも、ある程度入力してサジェストで表示されると検索の時間を短縮することができます。

まとめ

ECサイトにおけるユーザー体験の満足度は、コンバージョンだけでなくリピートにも大きく影響すると考えられます。
サジェストツールは、そんなユーザの満足度に大きく貢献してくれる可能性のある重要なツールです。

検索の利便性を向上しておすすめ商品を提示するという面では、どのサジェストツールも同じですが、使い勝手や性能を考慮すると様々なものがあります。
そして2021年以降は、上記のようなユーザーの満足度を満たす機能がより増えると共に、サジェストツールに関する市場はさらに活気が高まることでしょう。